solipsistic blog

世の厭わしげなる様を 憂えざるべからず

披露口上

 えー、お初にお目にかかります。アタシは 浪漫亭志ん歩(ろまんてい しんぽ)と申しまして、ええ、勿論噺家ではありません。今朝、厠で用足ししていた処、ふと「志ん歩」なる言葉が浮かんで来まして、アタシは「進歩」なんて言葉は大つ嫌いなんですが、浮かんじまつたものはしようがねえというわけで、早速ぐぐつてみた処、古今亭さん処やほかの噺家さんには居られない様子。大した名でもないんで、いつそアタシが名乗つてやろうと云う訳で御座います。亭号は浪漫亭、つまりは「おいらは進歩派じやねえ、ロマン派でえい、つまりロマン派の進歩派でい」との分かつたやうな分からないやうな由で打ち上げさせて頂きました次第。
 でアタシ、ナリは中肉中背、初老の親爺と云う訳で御座いまして、金もなければ甲斐性もない、どうやつて喰い繋いでいるのかと云えば、これが髪結いの亭主よろしく女頼みの極楽とんぼという始末。まあどうしようもない奴で、世間様にとつちやあ路傍の小石、大海原の泡ひとつ、ロハのオツサン一匹で御座りまする。勿論、設定で御座りまする。

 

 散る桜 残る桜を仰ぎ見て 咲きもせず 散りもせず の 俺

 

 ※良寛様、お許しを。

 

記 志ん歩